

【左】キッチンからダイニング・リビングを見たところ。キッチンは南向きの対面式で、全体が見渡せます。リビングの南の壁はあえてふさぐことで、外からの視線を遮り、リラックスした落ち着きのあるリビングになります。
【右】リビングからダイニング・キッチンを見たところ。南東の大きな開口から明るい光と風が入ります。バルコニーはリビングがそのまま室外に広がっていったようなのびやかなイメージ。
コンセプト
都会の小さな土地や厳しい建築条件のなかで、細かなギミック(仕掛けの意)ではなく、家族の生活の変化に柔軟に対応していけるおおらかな住まいを実現したプランです。
生活の中心を中間の2階とすることで、明るさや風通しの良さ、寝室や子供部屋からのアクセスしやすさのバランスをとりました。お子さんは必ずリビングを通ってから部屋に入るなど、家族のコミュニケーション動線にも配慮しています。
内装は国産の木を梁や柱として使い、自然素材で仕上げたシンプルで心地良い住まい。
外装は目先のコストだけで選ばず、耐光性やメンテナンス性に優れた素材を選び、ライフサイクルコストを抑えています。
断面図・立面図

3階建ては、地震時に2階建てに比べて1階部分により大きな負担がかかります。また1階は駐車スペースもあるため、木造だけでは耐震壁の確保が難しいと考え、1階を鉄筋コンクリート造、2・3階を木造としました。
最上階は厳しい斜線制限を逆手にとって、こんもりとしたアーチ屋根としました。子どもたちの秘密基地の雰囲気を演出しています。
間取りご紹介

【1階】
ポーチ : 雨に濡れない玄関ポーチと自転車置き場
玄関 : 将来、体が不自由になっても住み続けられるように、上階へのいす式階段昇降機の設置スペース(乗り場)を考えてあります。
浴室 : 1坪の大きさの浴室からは坪庭が望めます。
寝室 : 寝室は就寝のための必要最小限のスペースにとどめ、クローゼットには余裕を持たせました。
【2階】
リビング : 一体感のあるリビングとバルコニー。西側は開口部を持たせず、西日を遮ります。
階段 : リビング・キッチンからも目配りできる、視線が通る階段。
トイレ : 目立たない位置に、生活の中心となる階に設置。
【3階】
吹き抜け : 高い位置からも光を入れて、階段まわりなど奥まで明るく。
フリースペース : 将来、子供部屋として分ける場合は間仕切り壁を入れられます。
納戸 : 通常はデッドスペースとなってしまう空間。天井は低いですが、収納スペースとして活用できます。




【2階】



【3階】



プラン概要
家族構成:夫婦2人
道路面:南
建築面積:28.01m2(8.49坪)
施工床面積:66.73m2(20.22坪)
工法:1階はコンクリート、2・3階は木造軸組工法