

■南側外観
南側には木製スノコ床と目線を遮るルーパー手摺のテラスが張り出しています。南壁の素材はジョリパット櫛引仕上げ、他はメンテナンスとコストを考慮し、ガリュバリューム鋼板葺きで考えています。螺旋階段ホールの光と風を取入れる大きな親窓がポイントです。3階窓下には植栽スペースも用意しました。
■2Fキッチン側からリビング、テラスを観る
13.5帖の決して広くはないLDKですが、床レベルを合わせたテラス、高天井、螺旋階段の吹抜けなどにより、実際より広く感じられる空間となっています。
■2Fテラス側からダイニング・キッチンを観る
東側壁面、対面キッチン壁面、奥の壁面など、壁面を有効活用するための造り付け収納、食器棚等を用意しています。また天井の段差を利用してエアコンを隠蔽して付ける計画です。
都心の狭小地の厳しいいろいろな制約、敷地形状、予算に逆らわずにスマートに考えた、シンプルで無駄のないプランです。
1階はプライベート空間、2階はパブリック空間、3階は子供たちの空間と考え、コンパクトにまとめました。
■螺旋階段がシンボルです。
狭小空間には、省スペースの螺旋階段が有効です。
その上この階段ホールは太陽光と風の通り道としても機能しています。
南面の大きな壁窓から、2F洗面脱衣室、1F玄関ホールにまで光を導きます。
また天井扇と換気窓により、空気の流れも生まれるよう考えています。
■家事動線と壁面収納に考慮しました。
水廻りを2階にコンパクトにまとめ、効率のよい家事動線にしました。
狭いながらもテラス側を見ながら作業のできる対面キッチン、その背面全面に造り付けの食器棚、食品庫を設置しました。
その脇には脱衣室があり、洗濯、物干はウッドテラスの手摺下と浴室のトップライト下に取付金具を用意しました。
■2段床のユニークな子供部屋です。
厳しい斜線制限ぎりぎりの屋根の形状そのままの3階子供室は、その高さを利用して床レベルの2段とし、その上に固定ベッドを用意しています。
そのベッド下の空間は収納スペースでもあり、子供たちの秘密の空間です。

斜線制限の範囲内で、できるだけ高さや容積を確保することを意識した結果の傾斜天井ですが、その形状を活かしてユニークな空間構成を実現しています。



【2階】



【3階】



家族構成:夫婦+子供2人
道路面:南
建築面積:29.4m2(8.9坪)
施工床面積:77.3m2(23.4坪)
工法:在来軸組工法