屋上を設けて趣味のスペースを確保

間口は約4.4m、奥行は約14mと細長い敷地。1階が玄関と親世帯スペース、2階がLDKとサニタリー、3階は子世帯の空間です。趣味の菜園ができるように屋上も設けました。
1階:駐車場+親世帯
2階:共用の浴室+子世帯のLDK
3階:子世帯の主寝室、ウォークインクローゼット、子供室

ガラスの壁からLDKに光を採り入れる工夫。
2世帯が集う2階のLDKは、対面式キッチンで外を眺めながらの調理が可能です。階段室との仕切りは、木の柱とその間がガラスにしました。リビングの天井高を2,665mmと高くし、開放感を高めました。

母親の部屋は畳+フローリングで過ごしやすく。
1階の親世帯(母親)の部屋です。中央部を畳敷きにしてフレキシブルに使えるようにしました。北側の配置ではありますが、ウッドデッキを設け視覚的広さを演出しています。

階段室の東側全面に窓を配置し光を届ける。
階段室は1〜3階、屋上塔屋まで吹き抜け、東側の幅いっぱいに窓を取りました。光がスケルトン階段の間を抜け、光のタワーとなります。

トップライトを配置し、
将来子供室に利用。
将来、子供室に使う予定の3階の部屋。北側の高度傾斜線の影響で斜め天井になりました。トップライトで採光を確保し、空が見えることで開放感を高めました。
階段に対して
階段室を設けました。
母親の居室からは、ドアを2枚隔てていますので、扉の開け閉めの音、階段の上り下りの音も気になりません。
2階にある共用の浴室に対して
排水の場所を工夫し、階下の親世帯へ水音が気にならないようにしました。
また、2階上がってすぐの位置に配置し、子世帯に入らずに浴室に入れるように。親世帯も気兼ねなくバスタイムを楽しめるようにしました。
光の通り道の作り方
細長い家で課題となるのが、中央部が暗くなりがちということです。
今回のお宅は、3階建て+屋上階という構成です。
東側の階段室いっぱいに窓を配置し、光を採り入れました。
また、スケルトンの階段で階下へ光を届ける工夫もしています。
有効な広さを保つために
隣家が迫る両サイドの壁に、省スペースで耐候性のあるガルバリウムの平葺きを選びました。
下地には構造、断熱、防火を兼用できる、壁を薄く施工できる材料を選び、有効な広さを確保しました。

①屋上を設けて趣味の家庭菜園を楽しめるようにしました。住宅密集地にあって開放感を味わえます。また、エアコンの室外機置き場としても活用しています。

②3階の子世帯のスペースには、通り抜けができる広めのウォークインクローゼットを用意しました。使いやすくて便利だとお喜びの声を頂きました。
③将来の子供室です。北側斜線規制によって天井が傾斜し低く抑えられていますが、トップライトによって明るく開放的な空間に仕上がっています。

④リビングは建具で仕切って独立して使用することも可能にしました。ガレージの屋根も兼ねたデッキとつながり、屋外にもリビングがあるような雰囲気になっています。
⑤親世帯との生活時間帯の違いを考慮して、共用の階段・廊下とは、扉とガラスの間仕切りによって音が気にならないよう配慮しています。
⑥共用の浴室は親世帯からは階段を上がって直接利用できる位置にしました。下階に音が響かないように床を一段かさ上げして、給排水の配管は床上に転ばして設置しました。
⑦屋上までの窓を設置。スケルトンの階段を通して、室内や階下に午前中の光を採り入れます。

⑧共用のシューズクローク。ベビーカーやゴルフの道具なども収納できる。
⑨親世帯のキッチン。子世帯とは別に食事を作ることができる。万が一、介護が必要になった場合には浴室に改築する予定。
⑩狭小地ながらも駐車・駐輪スペースを確保。2階のデッキが張り出しているので、雨にぬれず乗り降りできます。
⑪出入りのしやすい1階に母親の部屋を配置。デッキのある庭を持つ。キッチンを配置して、居室前に一部屋設け、ドアを二重にすることで玄関ドアの開閉音を軽減します。
【建築概要】木造3階建て 二世帯住宅
敷地面積:18坪 強(61.57m2)
建築面積:10.57坪(34.88m2)
延床面積:31.71坪(104.65m2)
【家族構成】竣工時:5人家族(母親と息子夫婦と子供2人)