各階にテラスと軒のある彫りの深い家

各階にあるテラスやバルコニーのかたちをひと工夫。すべての場所に軒を設けました。その結果、夏の高い日差しをさえぎり、冬の低い日差しは取り込むようになりました。
2階テラスにはプライバシーを守るためにウッドフェンスで囲み、外観のアクセントにもなっています。
地下1階:親世帯(ドライエリア、和室、クロゼット)
1階:各世帯の玄関、親世帯(LDK、和室、テラス、浴室)
2階:子世帯(LDK、和室、子供スペース、テラス)
3階:子世帯(寝室、クロゼット、子供室、テラス、浴室)
その他:

LDKにつなげて和室と子供スペース(写真手前)を配置しています。子供スペースは、当初はおもちゃ部屋でしたが、現在は勉強室として使用されています。この部屋があることで、散らかるのを防ぐことができます。

リビングから続くテラスに、上階の軒を利用してハンモックを設置しました。窓の先にもうひとつのお部屋があるようで、楽しみ方が増えますね。

ドライエリアを設けた地下室の床面は、地面から1.5m下がっています。掃きだし窓による庭付きの落ち着く部屋です。庭があることで日差しも入り、地下とは思えない空間に仕上がりました。

将来ふたつに分けることを想定して設計しました。ロフトはクロゼット上部を活用したもので、風の通り道にもなります。
南側と東側からの採光はほとんど期待できない26坪の北西角地です。
生まれ育ったこの土地に、息子夫婦が戻り、実家を二世帯住宅に建て替えました。
それぞれの要望を面積換算していくと、地階+1階を親世帯、2階+3階+ロフトを子世帯とする5層の居住スペースが必要となりました。
当初は鉄筋コンクリート造で検討していましたが、地盤が悪くコストも厳しいため、地下のみを鉄筋コンクリート造とし、地上を木造で計画しています。
地下といっても完全に埋め込まず、1階の床レベルを地上1mに設定したのは、道路からプライバシーを守るためと、地階が床面積の緩和を受ける高さにしたかったためです。
それぞれの階に必ずテラスやバルコニーを設ける
地下であっても風通しや日照を得られるよう小さな庭付きとしたので、平均地盤面の算定に影響し、その設定には苦労しました。
1階は、敷地の対角線上に各世帯の玄関を設け、お互いのプライバシーが最低限守れる長屋形式としています。
それぞれの階には必ずテラスやバルコニーを設け、自然を少しでも室内に取り込めるように工夫しました。
3階

①クロゼットの上部にロフトを設置
②浴室はテラスに面し、またトップライトがあるので露天風呂のように楽しむことができます。
昼間は洗濯物干し場に利用でき、一石二鳥です。
2階

③食卓前に作業台を設置しました。家族全員が料理に参加できるようにするための工夫です。
また、LDKに広がりをつくることもできました。
1階

④それぞれ完全に独立した住まいと感じられるように、玄関を対角の位置に配置しました。
スキップフロアにより玄関が廊下の一部を兼ねるコンパクトなプランです。
⑤キッチンの窓から、ドライエリアの吹き抜けをはさんでテラスが見えるようにしました。
通常より床が高いため、プライバシーと開放感の両方が得られます。
B1階

⑥ドライエリアには親世帯の玄関から土足のまま降りて来られるため、庭作業などに便利です。
地下とは思えないほど日差しが入ってきて環境がよく、落ち着いた場所になっています。
【建築概要】木造3階建て(地下RC造)住宅
敷地面積:26坪 (85.86m2)
建築面積:15.27坪(50.3m2)
延床面積:43.45坪(143.40m2)
【家族構成】竣工時:6人家族(両親と息子夫婦とその子供2人)